明けましておめでとうございます。本年もどうぞ、宜しくお願い致します。
昨年は世界では紛争、そしてイランでの大地震など痛ましい事
件や災害もありましたが、日本国内は大きな災害もなく、比較的平穏な一年だったと思います。しかし、我々の感覚の中では平穏であった実感や安心感はあまり
なく、誰もが多かれ少なかれ、それぞれの環境の中で孤独感や無力感、虚無感などの不安と向き合い、闘っている日々を送っているように思います。情報が溢
れ、価値観が多様化して自分の居場所や役割を誰もが探し求めている、自分も含めて、そう感じています。
今年は申年ではありますが、あえて
「見ざる、聞かざる、言わざる」ではなく、どんな厳しいことでも、また一見自分に関係のないことや遠くの国の出来事であったとしても、「よく見て、よく聞
いて、そしてはっきり自分の意見を言う」ように努めて参りたいとおもっています。これはオーケストラの音楽作りでも、全く同じことが言えます。周りの奏者
がどう感じて吹いているのか、指揮者を見るだけでなく、周りの人を目でよく見ることは大切です。自分の音だけでなく、ほかの人の音をよく聴きながら演奏す
ることは当然重要です。そして、何より自分はどう感じているのか主張して演奏することも、アンサンブルにはとても重要なことです。
音楽作りにも、自分の現実にも、そして自分の周囲の出来事にも自分の感覚を信じ、勇気を持って積極的に取り組んでいきたいと思います。