ざま弦楽アンサンブル 第8回ふれあいコンサート

日時2004年4月18日(日)
場所ハーモニーホール座間 小ホール
演奏ざま弦楽アンサンブル
指揮宮野谷 義傑
演奏曲
  1. ロッシーニ ウィリアム・テル序曲
  2. ヴィヴァルディ 調和の霊感 No.11
  3. メンデルスゾーン シンフォニアNo.11

第1回からお付き合いさせていただいているざま弦楽アンサンブルとの演奏会も年2回ずつのコンサートを重ねて、ついに8回目に至りました。今回は不肖私が司 会も受け持たせていただくことになりました。その場ではあまり緊張していないつもりでしたが、あとで振り返りますと、ところどころで噛んだり、早口になっ てしまっていて、本当にお恥ずかしい限りです。(アンサンブルのメンバーの方は学校の先生をされている方が多く、いつもお話が上手でいらっしゃるのです) 棒だけでなく、トークのほうもより一層修行しないといけないなと思いました。
音楽のほうですが、メンデルスゾーンでは練習ではうまくいって いた場所が崩れたり、本番ならではのアクシデントがありましたが、その危機を一丸となって乗り切った気迫と集中力がよかったように思いました。(アクシデ ントはあってはならないことは当然ですが)最初のプログラム、ウィリアム・テル序曲は大変好評でした。

今後は年1回のコンサートにされるということで、より充実した音楽を作っていけるよう、精一杯指揮を務めてまいりたいと思います。

2004年4月のご挨拶

こんにちは。今月も更新が遅くなってしまって、ついに桜が散ってしまいました。
今年 は咲く時期は早かったようですが、寒い日が何日かあったせいか随分長い間、我々の目を楽しませてくれたように思います。私は音楽をする人間には珍しく、あ まりお酒をたしなむ方ではありませんが、(特に指揮者という人種はお酒が好きな人が多いと聴いたことがあります。)花見をすることは大好きです。一年の区 切りとして桜は正月、誕生日と同じくらい時の流れを感じさせてくれます。

「桜前線」という言葉があるくらい、日本人にとって桜は特別な存在 です。それは歴史上「散る美学」として利用された悲しい歴史があるからであり、だからこそ桜は好まないという方もいらっしゃいます。そういう意見を伺う と、心ならずも若くして戦死していった人たちの思いに胸が痛くなります。神社の境内に咲く桜の古木を見ると、昔はどんな人がどんな思いで見上げたのだろう と悠久の歴史を感じることもあります。小学校の一時期や浪人決定した時、会社を辞めて最初の春も、私は、咲き誇る桜が好きでなかった時もありました。周囲 がすべて華やいで見えて、花見をしている人たちも楽しそうで、自分の孤独感を一層引き立たせられるように感じていました。自分ひとり、世界から取り残され ているようなそんな気持ちになったこともありました。

中学校の時の国語の授業で、何かの詩を勉強している時に先生が「春が寂しいという気持ちが分かりますか?」という問いにクラスの中で自分ひとりが手をあげたことを今でも思い出します。

で もこの数年、自分の気持ちに余裕が出てきたのか、桜を見る時、そして桜の下で楽しそうにしている人たちを見ると自分もなんだか嬉しくなれるようになりまし た。年齢を重ねてきたせいでしょうか、昔見上げた桜を思い出す時もありました。小学校入学式の時母と見上げた、校庭の入り口にある桜、大学時代に仲間と花 見をした構内の桜並木。入社2年目、会社の近くの公園で昼休みに一人で見上げた桜。そのときの嬉しい気持ち、楽しい気持ち、不安な気持ち、淋しい気持ち、 忘れていたその時その時の思いを彷彿と懐かしく思い起こさせてくれる大切な機会であるように思います。来年は、10年後は、どんな思いで桜を見上げるのだ ろうと思ったりもします。すべての人が来年の桜も、心も身体も健康で見上げられるよう祈って止みません。

さて、今月はざま弦楽アンサンブル のコンサートが18日にあります。(もうほんとうにあとわずかですね。)今回は私が司会を務めることになりました。楽しいコンサートになるよう、精一杯務 めます。ウィリアム・テル序曲を弦楽で演奏する試みもあります。ざま弦楽アンサンブル、オリジナルの演奏です。ぜひぜひ聴きにいらしてください!