2005年4月のご挨拶

こんにちは、桜の花も一気に満開になって春到来です。あっという間に散ってしまってお花見シーズン も終わってしまいましたが、私たちが年に一回だけ、外でどんちゃん騒ぎをしても許される時期が短いのも寂しいものです。お月見とか雪見(あ、寒いか。)も 風情があるかもしれません。 先日、インドの方たちとお花見をする機会がありました。私はインドへ行ったことがないので、インドというと(1)カレー (2)映画大国(3)ズービン・メータ(指揮者)というイメージしかなかったのですが、今回、彼らと接してみてイメージが大きく変わりました。何しろ彼ら はとても歌がすきなのです。宗教上の理由からお酒を飲めない方がほとんどなのに、男性6人、桜の花の下でたくさん歌を歌ってくださいました。しらふでした が、恥ずかしがることもなく、大きな声で楽しそうに歌ってくださり、私たちの周りだけどこかアジアンな雰囲気になりました。世界一の映画大国のインドの映 画を見たとき、ストーリーとは関係なく、歌ったり踊ったりするシーンがあってとても不思議な感じがしましたが、彼らと接して納得してしまいました。どこの 家庭でも自然に歌を歌って、小さいころから歌うことが生活の一部になっているとのことでした。

お礼に日本人も何か日本の歌を歌おうというこ とになったのですが、ここで、私たち日本人グループは立ち往生してしまいました。日本の歌、何を歌えばいいのでしょう。お花見なので「さくら」や「荒城の 月」を歌ってみたのですが、途中から歌詞を忘れてしまって歌えません。童謡を大声で歌うのも寂しいものがあります。私は東京育ちなので民謡を知りません。 結局ヤクルトファンの私としては、「東京音頭」を歌うしかありませんでした。音楽をしているものとしては実に情けないと反省しています。異文化に触れて気 づくわが身でしたが、それにしても歌あり、お酒あり、笑顔ありの楽しいお花見でした。

先日、本屋で絵葉書コーナーがあり、ふらりと立ち寄っ ていろいろな日本の風景を眺めていました。桜、富士山、紫陽花、菜の花、五重塔、雪の金閣寺、改めて、日本は美しい国だと思い、この国に生まれてよかった と思いました。近年、とかく「愛国教育」が叫ばれています。私ももっと日本を愛するべきだと思います。しかし、それは「国歌の強要」などではなく、四季 折々の美しい日本の景色に気づき、日本の風土に根ざした民謡や踊りに触れたりすることで深めていくことが大切なのだと思います。それは自分の国を知ること によってだけでなく、他の文化に触れることで、より一層深まるのだと感じました。「愛国教育」も、異文化コミュニケーションの機会を増やすと共に、日本語 のやわらかさ、日本の歴史の力強さ、日本の文化の多様さを伝えて誇りに思えるような教育こそが「愛国教育」なのだと私は思います。

ということで、日本食好きの私も、異文化に触れるためにエスニック料理や中南米料理、アフリカ料理にも挑戦してみようと思います。さーて、今夜はどこの国の料理にしてみようかな~♪