こんにちは。ホームページ再開後初めての更新にもかかわらず、遅くなってしまいました。去年は体調管理に随分苦労した一年だったので、今年は健康第一!・・と思っていたのですが、早速、先月末突如として高熱が続き、1週間ほど入院生活をしておりました。
日々の生活で忘れがちな、自分の健康への感謝、そして生きることへ患者も医者も看護師もまっすぐ向き合う病院という環境が「好き」と公言していた私ですが、今回は、高熱のためか、はたまた入院した病棟が北側で暗く隙間風に悩まされるほど猛烈に古かったためか、手術もなかったのに、気力を奪われてしまいました。(スタッフの皆さんは過酷な環境の中、真摯に頑張っていらっしゃいました。念のため。)
その病院の病棟では3年後に建て替えるということが合言葉のように聞かれ、冷たい隙間風も早朝6時前にけたたましい騒音のなる暖房器具も「仕方がない」という諦めの空気が、患者にもスタッフにもありました。看護師の仮眠室の暖房器具もある時間になると騒音を出し、よく眠れない人もいるそうです。今までこの環境で頑張ってこられた方々にとっては、あとわずか3年で環境はがらりと変わるという大きな希望をもっておられる、それは理解できます。しかし、その環境を初めて知った私にとっては、あと3年も入院患者やスタッフは我慢を強いられるのか!というのは驚愕の事実でした。
人は最後まで、その時におかれた状況を改善することを諦めてはいけないと今回、強く思いました。医者は患者の病状を、病院運営者は患者やスタッフの環境を、指揮者はオーケストラの音やアンサンブルを、そしてひとりの人は、自分や家族、周囲の人のよりよい人生に対して、多くの制限や困難、たとえ限界があろうとも、最後まで諦めてはならないと思うのです。これは大いに自分への反省でもあり、叱咤でもあります。意識してなにかを諦めてることは問題外ですが、問題は日常の慣れで無意識のうちに諦めてしまっていることです。自分を省みて、障害やその他の条件を言い訳に甘えたり、諦めたりしていることが多いのではないか、それは実に恐ろしいと我ながら思いました。
おかげさまで、日々、体力、気力共に戻りつつあります。指揮台に立って皆さんのエネルギーと音楽のエネルギーに触れると、自然発火するように知らず知らず心が沸き立ちます。演奏者の皆さんと生き生きとした音楽を作る共同作業は実に幸せでありがたいことです。2月11日(祝)のコンサートも一期一会、メンデルスゾーン、モーツァルト、シューベルトの音楽を楽しんでいただけるよう、全力を尽くして頑張りたいと思います。もしお時間がございましたらぜひご来場ください。
http://www.miyanoya.com/2012/12/15.html