みなさん、こんにちは。長い間ホームページの更新が滞ってしまい、大変失礼致しました。相変わらず毎週のように大阪ー東京間を行き来しつつも、お陰さまで元気にしております。10月もあっという間に半ばを過ぎて月末・・。もう朝晩は肌寒くなって虫の音も賑やかになってきました。暑くも寒くもない心地よい季節、私は最近、歴史散策やバードウォッチングなどをしています。この数ヶ月、ゲリラ豪雨や台風、噴火などの想像を超える自然の恐ろしさを感じることも多い日々でしたが、一方でうららかな日差し、心地よい風、美しい夕陽、心に沁みる虫の音。つくづく大地の恵み、自然に生かされてるんだと感じます。
先月は、和歌山や泉南の方へ、「ウミホタル」を見に出かけました。(東京湾アクアラインの・・ではないですよ)蒼い幻想的な光を放つ海の生物で、ある日これはぜひとも見てみたいと思いたって、真っ暗な夜の海へ出かけました。色々調べて仕掛けを作ったのですが、結局捕まえて見る事はできず、残念ながら次回へ持ち越しとなってしまいました。(もし、見たことある方捕まえた事のある方いらしたら詳細を教えて下さい!)ですが、暗闇の中から聞こえる波の音をバックに、そこで見た大阪、神戸の夜景のなんと美しかったこと!またその日は初めてマツムシの鳴き声を自然の中で聴く事ができました。カセットやテレビでは「チンチロリン」とは聞いたことがありますが、自然の中で生で聞くのはやはり味わいが違います。自然のテレビもラジオも録音技術なかった昔、そして街灯もなく月明かりという時代に生きた人々にとって、虫の音というのは、きっと音楽の代わりに多くの人の心を癒してきたのだろうな。。そんなことをしみじみ思いました。
先々週は、大阪城公園にバードウォッチングに出かけ、キビタキやノゴマといったなかなか都会ではお目にかかれない鳥と初めて出会うことが出来ました。大阪市内、都会のど真ん中なのに大阪城恐るべし。小学生の頃野鳥図鑑を見て憧れていた鳥にやっと出会えた喜び!そしてそのなんと鮮やかな事!(写真で伝わるでしょうか・・)感動的でした。次こそはオオルリを見たいと思っています!
そして先日は淀川のワンドで「釣り」デビューをしました。天然記念物のイタセンパラなどの日本の固有腫を守るために、ブラックバスやブルーギルといった外来種の駆除を目的としたイベントに参加しました。10時過ぎから始めて5時間、爽やかな風と豊かな自然を感じながら釣りを楽しみました。肝心の釣果ですが、さすがに超初心者は坊主で終るんだろうなと覚悟した終了5分前・・!浮きが小さく沈んだ瞬間、無我夢中で竿を上げたら!小さなブラックバスが釣れました!いや、ほんといくつになっても、「初めて」というのは嬉しいものですね!
音楽も、初めての出会いは難しくもあり、嬉しいものでもあります。知られざる名曲との初めての出会いは、ワクワクするような瞬間に満ちています。予想外の転調や和声進行、対旋律やフーガの面白さ、構成上の驚きの仕掛け・・次は何が起こるのか分からないのは楽しいものです。そうくるか!と独り言をブツブツ言いながら楽譜を読んでいます(笑)幸か不幸か聴きなれてしまった「運命」「田園」などの音楽は、もし初めて聞いたならどんだけワクワクするのだろうと初演をきいた当時の人を羨ましく思ってしまいます。(そんな曲も楽譜を読むたびに新しい発見があるから驚きです)
演奏も「次に何が起こるのかワクワクしてもらえる」ような演奏にしたいと常日頃思っています。聴きなれた曲で、楽譜どおり演奏していても、次のフォルテはどんな表情なのだろう?ピアニッシモはどれだけ息を呑むような音なのだろう・・!そんな生き生きとした表現が、聞くお客さんの心をいつのまにか虜にしてしまう・・常に私が心がけている目標のひとつです。そのためには、演奏者が、指揮者がどこかで冷静かつどこかでワクワクしていなければならないと思います。そのバランスが本当に仕事だと思います。
来年2015年2月に、私が振るコンサートが2公演、予定されています。一つは2月7日(土)MFL管弦楽団の演奏会では、サン=サーンスの交響曲第2番とビゼーの交響曲第1番という二人の天才作曲家の知られざる交響曲をとりあげます。もう一つはその2日後の2月9日(月)渋谷区文化総合センター大和田での演奏会ではバッハの名曲とともにバッハの息子のCPE.バッハやフランツ・ベンダといった知られざる作曲家の名曲を演奏します。どの音楽も作曲家たちが英知を絞って、身を削って書き上げたものばかりです。どの曲もそれぞれに籠められた思いやエネルギーを感じます。皆さんにそれぞれの魅力を充分に感じてもらえるよう、しっかりと準備を進めてまいりたいと思います。