こんにちは、ようやく暖かい日差しが戻り、桜も一気に満開になり、コートなしに外出できるようになって、春到来を実感できるようになりました。今年は長く長く続くコロナ禍のためか、気落ちすることも多く、冬が長く感じられました。隣国で戦争が始まり、日々同じ人間同士の殺戮によって多くの市民の命が奪われているニュースを耳にするたび、平和や日常が如何に脆いものであったか改めて認識すると同時に、社会が人の良心の信頼の上に成り立っていることを実感します。不安なことばかりで現実に目を向けることが本当に厳しい時間が続いているように思います。
そんな中ではありますが、先月、お陰様で47歳を迎えました。昨年末に網膜剥離の手術をするなど、一つ歳を重ねるにもいろいろな事が起こる年齢になってきましたが、それでも生きて多くのことを経験できることは、何ごとも「芸の肥やし」、ありがたいと感じています。また先月は様々な制約の中ではありましたが、長年音楽作りを共にしてきた化学オーケストラの皆さんと、内幸町ホールにて久方ぶりにコンサートを開くことができました。また、令和4年電気学会全国大会の特別講師として、指揮者が体験する「音楽における共感」についてオンラインでお話する機会を頂きました。どちらも、自分にとって音楽の喜びを多くの人と共有する瞬間こそが、私の心のエネルギーの源であることを実感する大切な時間となりました。
今月4月24日(日)には、グリーン交響楽団の皆さまと、兵庫県立文化センターという素晴らしい舞台で演奏会を指揮する機会を頂きました。曲はベートーヴェン フィデリオ序曲、メンデルスゾーン 交響曲第5番「宗教改革」とブラームスの交響曲第4番という、クラシックの王道ともいうべき贅沢なプログラムです。どの曲も、最初から最後まで隙のない、歌に溢れた音楽です。オーケストラの皆さんと、そしてお客様と音楽の喜びを共有できることを、身に余る幸せと感じます。コンサート前には簡単に曲についてお話もする予定ですので、少しお早めにお出かけいただければと思います。グリーン交響楽団 スプリングコンサート2022
コロナ禍前のマスクのいらない日常に戻っていくこと、そして戦争が一日も早く終結することすべての命が何よりも大切にされる世界に少しずつでも戻っていくことを願ってやみません。